Youtubeのスパチャランキング上位を賑わせたり大手企業とのコラボも続々実現するなど、その人気と活動の場を拡大し続けているVTuber事務所のホロライブ。
そのホロライブが展開しようとしているメタバースプロジェクトがホロアースです。
メタバースと聞くと、
最近よく聞くけどなんかよく分かんない
という方が多いのではないでしょうか。
旧FacebookがMetaに社名を変えてまで取り組んでいるにも関わらず上手くいっていない現状で、日本のVTuber事務所に勝ち目はあるのでしょうか?
メタバースに期待する1ユーザーとしてその可能性を探ってみたいと思います。
メタバースが流行らない理由
メタバースが流行らない、流行ると思えない理由はなんでしょうか?
面白そうに見えない・何が出来るのか分からない
マーク・ザッカーバーグ氏が投稿したこの画像は、METAですらこのレベルなのかと悪い意味で衝撃を与えました。
これは流行らない、失敗だと言われるのも無理はありません。
見た目はともかく何が出来るの?という疑問に対するよくある回答は、
「バーチャル空間で人と話したり遊んだり物の売買など生活が出来る」
といったところでしょうか。
これもほとんどの人が具体的な遊び方・活用の仕方が想像できないと思います。
にも関わらず多くの企業が参入しているということは、将来見込める利益がそれだけ大きいということでしょう。
現在の流行感に反してメタバース市場は今後大きく伸びると予測されています。
検索におけるGoogle、SNSにおけるFacebook・Instagramのように新たな分野の先駆者となりその分野の代名詞となることが出来れば次の時代のGAFAMになれる可能性もあるのです。
一般人からすると「企業が金儲けのために盛り上げようとしている」ように映ってしまうのもメタバースに批判的な意見の要因かもしれません。
VR機器が高い・面倒くさい
何十万もするPCとかVRゴーグルが必要なんでしょ?
いちいちゴーグル付けるのも面倒くさいよ
これは半分誤解です。
メタバースとVRが密接な関係にあるのは確かですが、VRじゃなければメタバースでない、という訳ではありません。
メタバースの楽しみ方、活用の仕方の1つにVRがあるというだけです。
問題なのはたとえ誤解であったとしても多くの人にそう思われてしまえば流行らないという事です。
実際にVRゴーグルを買おうと思うと決して安くはないのも事実です。
高性能かつ比較的安価で人気だったMeta Quest 2も大幅に値上げされて手を出しづらくなってしまいました。4万以内で買えていたものが6万近くするとなるとどうしても損した気持ちにもなりますよね。
まとめると、
『何が出来るかよく分からない上に高い費用が必要でしかも面倒くさそう』
というのが一般的なメタバースに対する認識でしょうか。
キーは日本のコンテンツ力
こちらは世界メディアフランチャイズ売上ランキングTOP25です。
トップ25の内10個が日本のコンテンツです。
日本がメタバース業界で成功するにはこのコンテンツ力を活かすしかないと同時に、かなりの優位性を持っているとすら思います。
ランキング1位のポケモンに関しては既に一種のメタバースともいえるポケモンGOが大ヒットしました。開発元のNianticはVRメタバースに関しては否定的な考えなのでそのままメタバース化するような事はないかもしれませんが、ポケモンというコンテンツとメタバースの相性の良さはうかがえます。
任天堂作品でいうと「あつまれ どうぶつの森」もメタバース要素を含んでいます。むしろ現在一番メタバースに近いのはこのあつ森かもしれませんね。
個人的にはジブリのメタバースがあれば絶対体験したいです。
ラピュタを見に行ったり腐海を探索したり、謎の肉を調理して売るロールプレイとかも面白そう!と妄想が広がります。
こういった妄想を刺激する魅力が今のメタバースにはまだ感じられません。
ビジネスや医療にも活用できるような、現実の延長上にあるメタバースはMETAやMicrosoft、Googleに任せましょう、というよりその方向性で競ってもおそらく勝てないでしょう。
日本にはアニメ・マンガ・ゲームを活かした仮想世界メタバースを期待します。
ホロアースに期待する理由
ホロアースの目指すメタバース
メタバースとの相性の良さという点でVTuberはアニメやマンガを凌ぐかもしれません。
そもそもが2Dや3Dアバターで活動しているのでメタバースで出来ること、ファンが求めることも想像しやすいですね。
ホロライブを運営するカバー株式会社のYAGOOこと谷郷元昭CEOがメタバースの事を語っている動画があります。
ホロライブの目指すメタバース像が見えてくるいくつかの質疑応答を抜粋します。
- メタバースに取り組んでいる会社は世界で沢山ありますが、自信はありますか?
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各社が目指すものはそれぞれ違っており、競合するのではなく一緒にメタバース業界を盛り上げていきたい。
- 広範な人が参加したくなるようなコンテンツがどれほどあるのか?
-
まずは広範な方を対象とせず、ホロライブプロダクションのファンの方に楽しんで頂けるコンテンツを提供していければと考えています。
- ホロライブが目指すメタバースとは何か?
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ホロライブプロダクションのタレント同士、タレントとファン、ファン同士が交流するための空間です。
いずれは、二次元コンテンツが好きな方にとっての楽園に出来ると良いなと考えています。
インタビューからも分かるように、ホロアースはあくまでもタレント・ファンを中心としたコミュニティの拡張としてメタバースを捉えているようです。
VTuber業界ではトップクラスの人気を誇る自社コンテンツを活かせる訳ですから、わざわざ他社と競う必要もないという事ですね。
打倒METAなどと言いだしたら先行き不安ですが、しっかりと自社の強みを活かす方向性で安心しました。
「何が出来るか分からない」という問題点がVTuberファンにとっては「推しに会いたい」という願望で解消されます。
高価なPCやVRゴーグルのハードルはあるでしょうが、いわゆる「推し」の為の行動力・購買力はかなりのものです。
動画第二弾
第二弾!YAGOOに聞くホロライブとメタバースのこれから【獅白ぼたん/ホロライブ】が公開されました。
新たな映像と共にホロアースの今後・方向性を語っています。
Q and Aをいくつか抜粋します。
- 「ホロアース」という名前で下記の2種がある。
①交流やライブを視聴するタイプ ②ゲームタイプ
これらは同一のサービスか、あるいは別々のもの? -
1つのサービスとして開発している。
- ゲームタイプのリリース時期は?
リリース前に体験する機会はある? -
そこまで遠くない未来にβテストで触ってもらえる機会を作れればいいなと…
- ホロアースの利用に料金はかかる?
-
基本的な利用は無料。有料コンテンツの販売も検討。
- ホロアースの中でグッズの販売はある?
-
現実と同じアバター用Tシャツとか、現実とリンクできると面白いと思っている。
- ホロアースにユーザーが介入出来る要素はある?(自作アバターやエモート、ユーザー主催イベント等)
-
ユーザーがデザインした家具や洋服を販売するようなUGC(User Generated Contents)的要素もアイデアとしては話している。
- メタバースでリスナーとタレントの交流などの機会はある?
-
クイズ大会のようなユーザー参加型企画が出来ると楽しいとは思っている。
ある程度形になったものをユーザーが触れるのはもうしばらく先でしょうか。
ユーザー参加型企画やUGCは盛り上がりそうですね。
ホロアース紹介
ホロアースは現時点で動いているものが動画等で確認できます。
この世界にファンがアバターとして参加できるとなればそりゃ期待しちゃいますよね。
基本的にはマイクラやクラフトピアといったクラフト系のゲームシステムを踏襲しているようです。
こちらは別の動画のスクショです。
結構凝った建築やハウジングも出来そうですね。
スキルも結構ありそうです。
動画では実際にスキルを繰り出しているアクションシーンも見られます。
そして動画にも出てくる女性アバターが可愛い!
アバターデザインはアニメ制作会社TRIGGERの坂本勝。SSSS.GRIDMANのキャラクターデザイン等を担当しています。
アバターは顔パーツ・髪型・背丈・衣装、様々な部分をユーザーごとにカスタマイズできるとの事。
このキャラデザでキャラクリ出来るだけでも相当楽しめそうです。
もちろん男性アバターも制作中なのでそちらも期待です。
ホロアースライブ
2022年12月26日にはミニライブイベントがホロアースロビーβ版で行われました。
- ホロアースはVRゴーグル対応してないの?
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2023年7月現在、試験的な段階ということもあってか、ホロアースはVR・ARには対応していません。ライブ部分はいかにもVRっぽい感じはあるので将来的には対応してくれるといいですね。
アニメ・マンガも含めたメディアミックスプロジェクト
ホロアースはアニメ・マンガも含めたメディアミックスプロジェクトとして展開されています。
世界観を補完するアーカイブやマンガもこのホロライブ・オルタナティブ内で見ることが出来ます。
アニメのクオリティも凄いですね。相当気合が入ってるのが分かります。
メタバース求人多数募集中
ちなみに現在多数のメタバースプロジェクト人員を募集しているようです。
まとめ
メタバース分野で日本が躍進するためにはMETAやGoogleに対抗するのではなく、マンガ・アニメ・ゲームといった日本が世界に誇るコンテンツを利用するしかないという話でした。
その中でもとりわけニッチでありながらそのファン層は大きな爆発力を秘めているVTuberにスポットを当ててみました。
日本の人気コンテンツのコンセプトや親しみやすさを活用することはメタバース発展の大きな原動力となるのではないでしょうか。